妊娠中の葉酸、本当にそんなに大切?
妊娠が分かると「葉酸を摂りましょう」と言われることが多いですよね。
けれど実際には、
- いつまで摂ればいいの?
- 妊娠初期だけ?
- 食事だけで足りる?
- サプリは本当に必要?
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
葉酸は、赤ちゃんの発育に深く関わる栄養素です。確かに重要ですが、正しく理解することで不安はぐっと減ります。
しかし、正しい情報を知らないまま不安だけが大きくなってしまうケースも少なくありません。
この記事では、管理栄養士の視点から、妊娠中の葉酸について科学的根拠をもとにわかりやすく解説します。
妊娠中に葉酸が重要な理由【神経管形成との関係】
葉酸はビタミンB群の一種で、水溶性ビタミンに分類されます。
主な働きは、
- DNAの合成
- 細胞分裂のサポート
- 赤血球の形成
妊娠初期は赤ちゃんの細胞分裂が急速に進む時期です。特に妊娠4週頃までに形成される「神経管」は、将来の脳や脊髄になる重要な器官です。
葉酸はこの神経管形成に関与しているとされ、十分な摂取が神経管閉鎖障害のリスク低減につながると報告されています。
そのため、厚生労働省 では、妊娠を希望する女性に対して葉酸の付加摂取を推奨しています。
妊娠中の葉酸の必要量【妊娠初期は特に重要】
では、具体的にどのくらい必要なのでしょうか。
日本人の食事摂取基準では、18〜49歳女性の推奨量は以下の通りです。
- 通常時:240μg/日
- 妊娠初期:+400μg(サプリメントなどから)
- 妊娠中期・後期:+240μg
ここでポイントになるのが、葉酸の種類「食事性葉酸」と「合成葉酸」の違いです。
食品中の葉酸はポリグルタミン酸型で存在し、体内での利用率は約50%程度とされています。一方、サプリメントに含まれるモノグルタミン酸型は利用効率が高いのが特徴です。
この違いがあるため、妊娠初期の+400μgはサプリメントからの摂取が推奨されています。
葉酸の多い食品と効率的な摂り方
葉酸を多く含む食品には、以下のようなものがあります。
🥬野菜
- ほうれん草
- ブロッコリー
- 枝豆
- アスパラ
🫘豆類
- 納豆
- レンズ豆
その他
- いちご
- のり
ただし、葉酸は水溶性ビタミンのため、調理方法によって失われやすいという特徴があります。
管理栄養士としておすすめしたいポイントは、
- 茹でこぼしを避ける
- 電子レンジ加熱を活用する
- スープにして煮汁ごと摂る
といった調理の工夫です。
小さな積み重ねですが、日々の食事で意識するだけでも摂取量は底上げされます。
妊娠初期の葉酸は食事だけで足りる?
「サプリはできれば使いたくない」という声もよく聞きます。
しかし、妊娠初期に必要とされる+400μgを食事のみで安定して補うのは現実的には難しい場合が多いです。
さらに、つわりで食事量が減る時期は不足リスクが高まります。
そのため、公的機関でもサプリメントの活用が推奨されています。ただし、サプリメントはあくまで補助的な役割。基本は食事からの摂取を大切にしましょう。
葉酸はいつまで摂るべき?
神経管が形成されるのは妊娠4週頃までです。そのため、妊娠前から妊娠初期にかけてが特に重要とされています。
しかし、妊娠中期・後期も細胞分裂や赤血球の生成は続きます。したがって、妊娠期間を通して適切な量を継続的に摂ることが望ましいといえます。
過剰摂取には注意
葉酸の耐容上限量は1日1000μg(サプリ等から)とされています。
過剰摂取によりビタミンB12欠乏症の発見が遅れる可能性もあるため、必要量を守ることが大切です。
「多ければ安心」ではなく、「適切な量を継続する」ことがポイントです。通常の食事では上限を超えることはほぼありませんが、サプリメントによる重複摂取には注意が必要です。
まとめ|妊娠中の葉酸は“正しく理解して継続”
妊娠中の葉酸は、
- 妊娠前〜初期が特に重要
- 食事だけでは不足しやすい
- 調理法の工夫が大切
- 過剰摂取にも注意
といった点を押さえておきたい栄養素です。
不安になりすぎることはありません。正しい知識をもとに、無理のない形で継続することが、赤ちゃんの健やかな発育につながります。
🟢 関連記事リンク
・妊娠中の体重管理や栄養バランス
【管理栄養士が解説】妊娠中の体重管理|BMI別増加目安と具体的な食事量の目安
・妊娠期の栄養素について↓
