妊娠中に
- 急に心臓がドキドキする
- 少し動いただけで動悸がする
- 横になっていても胸が苦しい
このような症状を感じて、不安になる方は少なくありません。
実は妊娠中は、体の変化によって動悸が起こりやすい状態になります。
特に関係するのが
- 血液量の増加
- 貧血
- 血糖値の変動
- 自律神経の変化
などです。
そしてこれらの状態には、日々の食事も深く関係している場合があります。
この記事では管理栄養士の視点から
- 妊娠中に動悸が起こる原因
- 食事でできる対策
- すぐできる予防法
- 受診の目安
までわかりやすく解説します。
妊娠中の体調を整える食事は、出産後やその先の健康にもつながる大切な習慣です。
できることから少しずつ取り入れてみましょう。
🔎妊娠中の体重管理や血糖値の基本については、こちらをご覧ください。
▶︎【完全ガイド】妊娠中の体重・血糖管理|増加目安・食事量・妊娠糖尿病までまとめて解説
🔎体重増加が気になる方は、今から整える方法をこちらで詳しく解説しています。
▶︎【管理栄養士が解説】妊娠中に体重が増えすぎたときの対処法|食事で無理なく整える方法
妊娠中に動悸が起こる理由
妊娠中は、妊娠していないときと比べて体の働きが大きく変化します。
特に心臓や血液循環の変化は大きく、動悸を感じやすい状態になります。
主な理由は次の通りです。
- 貧血(鉄分不足)
- 血液量の増加による心臓への負担
- ホルモンバランスの変化
- ストレスや疲労
👉原因によって対策が変わるため、自分に当てはまるものを意識することが大切です。
血液量が増えて心臓の負担が増える
妊娠中は赤ちゃんに酸素や栄養を届けるため、血液量が約1.4〜1.5倍に増加します。
そのため心臓は、普段より多くの血液を全身に送り出さなければなりません。
結果として
- 心拍数の増加
- 心臓の拍動を強く感じる
といった動悸が起こりやすくなります。
これは多くの場合、妊娠による自然な変化です。
ただし、栄養状態や体調によって症状が強くなることがあります。
妊娠中の貧血
妊娠中は赤ちゃんの成長により鉄分の需要が増えます。
妊娠中期〜後期では
1日約16mgの鉄分が必要とされています。
しかし食事だけで十分に摂取できない場合、鉄欠乏性貧血が起こることがあります。
貧血になると
- 心臓が多くの血液を送ろうとする
- 酸素不足を補おうとする
ため、動悸が起こりやすくなります。
妊娠中は貧血も起こりやすく、動悸やめまいの原因になることがあります。
▶︎妊娠期の貧血については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【管理栄養士が解説】妊娠期の貧血とは?原因・診断基準・食事対策まで専門的にわかりやすく解説
また、妊娠中は血液量が増えることで、めまいや立ちくらみを感じることもあります。
動悸と同時にめまいが気になる場合は、原因や食事の整え方を知っておくと安心です。
▶︎妊娠中のめまいの原因や食事対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【管理栄養士が解説】妊娠中のめまいは食べ物で改善できる?原因とおすすめの食事・避けたい食品
▶︎息切れを伴う場合はこちらを参考
【管理栄養士が解説】妊娠中に息切れするのはなぜ?原因と食べ物でできる対策・受診の目安
▶︎疲れやすさを感じる場合はこちら
【管理栄養士が解説】妊娠中に疲れやすいのはなぜ?原因と食べ物でできる対策・おすすめの栄養素
▶︎だるさが気になる場合はこちら
👉【管理栄養士が解説】妊娠中にだるいのはなぜ?原因と食べ物でできる対策・おすすめの栄養素
血糖値の急激な変化
食事内容によって血糖値が急激に変動すると、体に負担がかかります。
特に
- 空腹時間が長い
- 甘いもの中心の食事
- 炭水化物だけの食事
などでは、血糖値が急上昇したあと急降下することがあります。
この変動は
- 動悸
- だるさ
- 手の震え
などの症状につながることがあります。
妊娠中はホルモンの影響で血糖値が変動しやすくなります。
▶︎血糖値スパイクについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【管理栄養士が解説】妊娠中の血糖値スパイクとは?急上昇の原因・インスリンと脂肪蓄積の関係までわかりやすく解説
また、空腹時間が長くなると血糖値が大きく変動し、動悸や体調の変化を感じることがあります。
妊娠中は無理に間食を我慢するよりも、血糖値が安定するような「適切なおやつ」を取り入れることが大切です。
▶︎妊娠中のおやつの量や選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【管理栄養士が解説】妊娠中のおやつは必要?何をどれくらい食べていい?体重管理と栄養補給を両立する間食の考え方
動悸は食事で改善できる?
結論からいうと👇
👉原因に合わせた食事でやわらげることができます。
特に重要なのは以下の3つです。
- 鉄分(貧血対策)
- たんぱく質(血液の材料)
- エネルギー(体力維持)
原因別|動悸に効く食べ物
動悸は原因によって対策が異なります。
自分に当てはまるものを意識してみましょう。
動悸は原因別に対策するのがポイントです。
■貧血が原因の場合
鉄分は赤血球をつくる重要な栄養素です。
不足すると
- 貧血
- 動悸
- めまい
- 疲れやすさ
のような症状が現れることがあります。
妊娠中期〜後期の推奨量
16mg/日
鉄分が多い食べ物
| 食品 | 鉄分(100gあたり) |
| レバー | 約13mg |
| あさり | 約3.8mg |
| 赤身肉 | 約2.5mg |
| 小松菜 | 約2.8mg |
※表の栄養価は可食部100gあたりの目安です。
実際の1食量は、例えばほうれん草のおひたし1皿で約60〜70g程度になることが多いため、食事では複数の食品を組み合わせて鉄分を補うことが大切です。
このほかにも
- ほうれん草
- 納豆
の食材も鉄分が多いのでおすすめです。
👉貧血には、鉄分+たんぱく質を意識するのがおすすめの食べ合わせです。
■疲労・体力不足が原因の場合
- ごはん
- パン
- いも類
- 果物
👉炭水化物は重要なエネルギー源です。これらを適度に食べてエネルギー不足を防ぐことが大切です。
■自律神経の乱れが原因の場合
- バランスのよい食事
- 温かい食事
👉生活リズムを整えることが重要
■ミネラル不足が原因の場合
マグネシウムは
- 神経
- 筋肉
- 心臓の働き
にかかわるミネラルです。
不足すると、
- 動悸
- 足がつる
- 疲労感
などが起こりやすくなります。
マグネシウムの多い食べ物
- アーモンド
- 大豆
- 玄米
- ひじき
▶︎妊娠中は足がつる症状も起こりやすく、ミネラル不足が関係することがあります。
【管理栄養士が解説】妊娠中に足がつるのはなぜ?原因と食べ物でできる対策・おすすめの栄養素
鉄の吸収率を上げる食べ方(重要)
鉄分はとり方によって吸収率が変わります。
👉ポイント👇
- ビタミンCと一緒にとる
- 動物性たんぱく質と組み合わせる
例👇
・ほうれん草+肉料理
・魚+野菜
・納豆+味噌汁
組み合わせを工夫して効率よく鉄分摂取ができるといいですね。
すぐできる動悸対策
食事以外でできる対策👇
- 無理をしない
- しっかり休む
- 深呼吸をする
- ストレスをためない
動悸が起きたときの対処法
・楽な姿勢で座る
・ゆっくり深呼吸する
・無理に動かない
👉まずは落ち着くことが大切です。
妊娠中の動悸を悪化させる食べ物
食事内容によっては、動悸が強くなることがあります。
カフェイン
カフェインは心拍数を増やす作用があります。
妊娠中の目安
200mg/日以内
例
| 飲み物 | カフェイン(100gあたり) |
| コーヒー | 約80mg |
| 緑茶 | 約30mg |
| 紅茶 | 約50mg |
コーヒーなら
1〜2杯程度が目安です。
甘いものの食べ過ぎ
砂糖の多い食品は
- 血糖値急上昇
- 急降下
を起こしやすく、動悸や疲労感につながることがあります。
例
- 菓子パン
- ケーキ
- 清涼飲料水
妊娠中の動悸を防ぐ食事のコツ
日々の食事では、次のポイントを意識すると体調を整えやすくなります。
食事を抜かない
空腹時間が長いと
- 血糖値の乱れ
- 動悸
- めまい
が起こりやすくなります。
主食・主菜・副菜をそろえる
例
- ごはん
- 魚や肉
- 野菜
この3つをそろえることで
- 血糖値の安定
- 栄養バランス
が整いやすくなります。
間食をうまく活用する
妊娠中は
1日3食+間食1〜2回
に分けると血糖値が安定しやすくなります。
こんなときは注意(受診の目安)
次のような場合は、医療機関に相談してください。
- 強い胸痛
- 息苦しさ
- 失神
- 症状が続く
👉妊娠中は体調が大きく変化するため、不安なときは無理せず早めに相談することが大切です。
他の症状との関係
動悸は以下の症状とも関係があります。
- めまい
- 立ちくらみ
- 疲れやすさ
▶めまいについてはこちら
【管理栄養士が解説】妊娠中のめまいは食べ物で改善できる?原因別の対策とすぐできる予防法
▶立ちくらみについてはこちら
【管理栄養士が解説】妊娠中の立ちくらみは食べ物で改善できる?原因とすぐできる対策・受診の目安
貧血との関係(重要)
動悸の原因として多いのが「貧血」です。
▶妊娠中の貧血についてはこちら
【管理栄養士が解説】妊娠期の貧血とは?原因・診断基準・食事対策まで専門的にわかりやすく解説
▶めまいがある方はこちら
【管理栄養士が解説】妊娠中のめまいは食べ物で改善できる?原因別の対策とすぐできる予防法
▶立ちくらみがある方はこちら
【管理栄養士が解説】妊娠中の立ちくらみは食べ物で改善できる?原因とすぐできる対策・受診の目安
まとめ
妊娠中の動悸は
- 血液量の増加
- 貧血
- 血糖値の変動
などが関係して起こることがあります。
食事では原因に合わせた対策が必要です。
妊娠中は栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
妊娠中に整えた食習慣は、出産後や将来の健康にもつながる大切な基盤になります。
無理のない範囲で、できることから取り入れていきましょう。
妊娠中の動悸を予防するためには、特定の食べ物だけでなく、日々の食事バランスや体重管理も大切です。
まずは
👉「食事を少し整えること」から始めてみましょう。
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