妊娠中、こんな悩みはありませんか?
- 朝起きると顔がむくんでいる
- 夕方になると足がパンパンになる
- 指輪がきつく感じる
妊娠中は体の変化によって、むくみが起こりやすくなります。
そのときによく聞くのが
「塩分を控えましょう」
というアドバイスです。
しかし
- どれくらい控えればいいの?
- 塩分を減らせばむくみは改善する?
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では管理栄養士の視点から
- 妊娠中にむくみが起こる理由
- 塩分とむくみの関係
- 妊娠中の塩分目安量
- むくみをやわらげる食事の工夫
を、具体的な数値を用いながらわかりやすく解説します。
妊娠中に整えた食習慣は、出産後や将来の生活習慣病予防にもつながる大切な習慣です。無理のない範囲で整えていきましょう。
妊娠中にむくみが起こりやすい理由
妊娠中にむくみが起こりやすくなるのは、体の変化によって水分をため込みやすくなるためです。
主な理由は次の3つです。
①血液量が増える
妊娠中は赤ちゃんへ栄養や酸素を届けるために、血液量が約1.4〜1.5倍に増えるといわれています。
そのため体内の水分量も増え、余分な水分が皮膚の下にたまりやすくなります。
特に
- 足
- 足首
- 手
- 顔
などにむくみを感じやすくなります。
②ホルモンの影響
妊娠中は**プロゲステロン(黄体ホルモン)**の影響で血管が広がりやすくなります。
その結果
血管の外に水分が出やすくなり、むくみにつながります。
これは妊娠中の自然な変化でもあるため、完全に防ぐことは難しい場合もあります。
③大きくなった子宮による血流の変化
妊娠後期になると子宮が大きくなり、
下半身から心臓へ戻る血流が滞りやすくなります。
そのため
- 夕方になると足がむくむ
- 長時間立っていると足が重い
と感じる方が多くなります。
妊娠中のむくみの原因や食事対策については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→【管理栄養士が解説】妊娠中のむくみは食事で改善できる?原因とおすすめの食べ物・避けたい食品
むくみと塩分の関係
むくみと塩分には深い関係があります。
塩分(ナトリウム)を多くとると、体はナトリウム濃度を保つために水分をため込もうとします。
その結果
- 体内の水分量が増える
- 皮膚の下に水分がたまる
という状態になり、むくみが起こりやすくなります。
これは妊娠中だけではなく、妊娠していないときでも同じです。
ただし妊娠中は
- 血液量の増加
- ホルモンの変化
- 血流の変化
などが重なるため、普段よりむくみが出やすい状態になります。
そのため塩分のとりすぎには注意が必要です。
塩分のとりすぎは、妊娠中の血圧上昇とも関係するといわれています。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
→【管理栄養士が解説】妊娠中の高血圧は食事で改善できる?原因とおすすめの食べ物・避けたい食品
妊娠中の塩分は1日どれくらい?
妊娠中の塩分目安量は、基本的には一般の成人女性と同じです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では
女性の食塩相当量の目標量は
1日6.5g未満
とされています。
つまり
妊娠しているからといって極端に減らす必要はありませんが、とりすぎないことが大切です。
参考として、普段の食事に含まれる塩分の目安を見てみましょう。
| 食品 | 塩分量 |
| 味噌汁1杯 | 約1.2〜1.5g |
| ラーメン1杯 | 約6〜7g |
| 梅干し1個 | 約2g |
たとえば
- ラーメン1杯
- 味噌汁1杯
を食べるだけで、1日の目安量を超えてしまうこともあります。
そのため
「極端に塩を減らす」というより
普段の食事で塩分の多い食品を控えること
が現実的な対策になります。
妊娠中の塩分の目安量や食事の工夫については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→【管理栄養士が解説】妊娠中の塩分はどれくらい?1日の目安量と食事で気をつけたいポイント
むくみをやわらげる食事のポイント
むくみ対策では、単に塩分を減らすだけではなく、食事全体のバランスを整えることが大切です。
ここでは妊娠中でも取り入れやすい食事のポイントを紹介します。
塩分を控える
まず意識したいのは、塩分の多い食品を減らすことです。
特に塩分が多くなりやすい食品は
- カップ麺
- インスタント食品
- 漬物
- 加工肉(ハム・ウインナー)
- スナック菓子
などです。
たとえば
朝食
パン+ウインナー+スープ
という組み合わせは、思った以上に塩分が多くなることがあります。
代わりに
- 焼き魚
- 卵料理
- 野菜のおかず
などを組み合わせると、自然と塩分量を抑えやすくなります。
カリウムを含む食べ物をとる
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。
そのためカリウムを含む食品をとることは、むくみ対策にも役立ちます。
カリウムが多い食品には
- バナナ
- ほうれん草
- じゃがいも
- アボカド
などがあります。
ただし
果物やいも類は糖質も多いため、食べ過ぎには注意しましょう。
妊娠中の間食量については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→【管理栄養士が解説】妊娠中のおやつは必要?何をどれくらい食べていい?体重管理と栄養補給を両立する間食の考え方
加工食品を減らす
実は塩分の多くは
家庭の調味料よりも加工食品から摂取されている
といわれています。
例えば
- コンビニ弁当
- カップ麺
- 冷凍食品
などは便利ですが、塩分が多くなりやすい食品です。
コンビニを利用する場合は
- サラダ
- 焼き魚
- おにぎり
などを組み合わせると、比較的塩分を抑えやすくなります。
コンビニの選び方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
→【管理栄養士が解説】妊娠中コンビニ完全ガイド|数値でわかる安全な選び方
むくみが強いときに注意したい症状
妊娠中のむくみは多くの場合、体の変化による自然なものです。
しかし次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 急にむくみが強くなった
- 顔のむくみが急に目立つ
- 頭痛や視界の異常がある
- 血圧が高い
これらは
妊娠高血圧症候群
のサインの可能性もあります。
妊娠高血圧症候群については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→【管理栄養士が解説】妊娠高血圧症候群の食事とは?塩分量の目安とおすすめの食べ物・避けたい食品
気になる症状がある場合は、無理せず医療機関へ相談しましょう。
まとめ
妊娠中のむくみは
- 血液量の増加
- ホルモンの変化
- 血流の変化
などによって起こりやすくなります。
塩分をとりすぎると体が水分をため込みやすくなるため、むくみを強める原因になることがあります。
妊娠中の塩分目安量は
1日6.5g未満
とされています。
むくみ対策としては
- 塩分の多い食品を控える
- カリウムを含む食品をとる
- 加工食品を減らす
といった食習慣を意識することが大切です。
妊娠中に整えた食習慣は、出産後や将来の健康にもつながる大切な習慣になります。
無理のない範囲で、少しずつ食事を整えていきましょう。
