妊娠中、
- 何日も便が出ない
- お腹が張る
- トイレに行ってもすっきりしない
といった 便秘の悩みを感じる方はとても多いです。
実際に妊娠中は、
妊婦の約40〜50%が便秘を経験するといわれています。
しかし安心してほしいのは、
妊娠中の便秘は、体の変化によって起こる自然なことでもあるという点です。
この記事では管理栄養士の視点から
- 妊娠中に便秘が起こる理由
- 食事でできる具体的な対策
- 今日からできる生活習慣の工夫
を わかりやすく具体例を交えて解説します。
妊娠期に身につけた食習慣は、
出産後や家族の健康にもつながる 大切な土台になります。
焦らず、自分の体を大切にしながら整えていきましょう。
妊娠中に便秘が起こりやすい理由
妊娠中に便秘が起こるのは、
食事だけが原因ではありません。
妊娠による体の変化が大きく関係しています。
主な理由は次の3つです。
①黄体ホルモンの影響
妊娠中は
プロゲステロン(黄体ホルモン)
が増えます。
このホルモンには
- 子宮の収縮を抑える
- 妊娠を維持する
という大切な働きがあります。
しかし同時に
腸の動きもゆっくりになる
という特徴があります。
そのため
- 便が腸内に長くとどまる
- 水分が吸収され便が硬くなる
ことで便秘が起こりやすくなります。
②子宮が大きくなり腸が圧迫される
妊娠が進むと子宮が大きくなり
腸が物理的に圧迫されます。
その結果
- 腸の動きが鈍くなる
- 排便のリズムが乱れる
という変化が起こります。
特に 妊娠中期〜後期に便秘が増える理由の一つです。
③つわりや食事量の変化
妊娠初期は
- 食事量が減る
- 偏った食事になる
- 水分摂取が減る
ことも多く、
食物繊維不足や水分不足
が起こりやすくなります。
これも便秘の大きな原因になります。
妊娠初期に気をつけたい栄養素についてはこちら→【管理栄養士が解説】妊娠初期の食事で気をつけたい栄養素とは?鉄分・葉酸を中心にやさしく解説
妊娠中の便秘を改善する食事のポイント
妊娠中の便秘対策では
「食物繊維だけ増やす」では不十分です。
大切なのは
- 食物繊維
- 水分
- 腸内環境
の 3つをバランスよく整えることです。
①食物繊維をしっかりとる
成人女性の食物繊維目標量は
18g以上/日
とされています。
しかし実際の平均摂取量は
14g程度
と不足している人が多いです。
特に妊娠中は
- 食事量減少
- 偏食
でさらに不足しやすくなります。
食物繊維が多い食品
特におすすめなのは次の食品です。
水溶性食物繊維
腸内の善玉菌のエサになります。
例
- オートミール
- 海藻
- 納豆
- 大麦
- 果物
不溶性食物繊維
便のかさを増やします。
例
- 野菜
- きのこ
- 豆類
- 玄米
両方をバランスよく摂ることが大切です。
②水分をしっかりとる
便の約70〜80%は水分です。
水分が不足すると
便が硬くなり排出しにくくなります。
目安は
1.5〜2L/日
(食事の水分も含む)
こまめに
- 水
- 麦茶
- ルイボスティー
などを取りましょう。
※カフェイン飲料は摂りすぎに注意が必要です。
③腸内環境を整える
腸内の善玉菌を増やすことも重要です。
おすすめの食品
- ヨーグルト
- 納豆
- 味噌
- キムチ(刺激が強い場合は少量)
これらは
発酵食品
と呼ばれ、腸内環境を整える働きがあります。
妊娠中の体重管理に関してはこちら→【管理栄養士が解説】妊娠中の体重管理|増え方の目安・血糖コントロール・将来につながる食事の整え方
妊娠中の便秘対策におすすめの食品
日常の食事で取り入れやすい食品を紹介します。
朝食
- ヨーグルト+バナナ
- オートミール
- 納豆ご飯
昼食
- 玄米ご飯
- 野菜たっぷり味噌汁
- 豆腐料理
間食
- プルーン
- キウイ
- ナッツ
夕食
- 野菜たっぷり副菜
- 海藻サラダ
- きのこ料理
こうした食品を 少しずつ組み合わせることがポイントです。
妊娠中の便秘を改善する生活習慣
食事に加えて次の習慣も大切です。
軽い運動
- ウォーキング
- マタニティヨガ
は腸の動きを助けます。
朝食を食べる
朝食を食べると
胃結腸反射
が起こり腸が動きます。
排便習慣を整えるためにも重要です。
排便を我慢しない
便意を我慢すると
腸の反射が弱くなります。
できるだけ
同じ時間にトイレに行く習慣
をつけましょう。
妊娠中の便秘で注意したいこと
便秘がつらい場合、
自己判断で便秘薬を使うのは避けましょう。
妊娠中は
- 使用できる薬
- 避けるべき薬
があります。
症状が続く場合は
必ず医師に相談してください。
妊娠中の食事で大切な基本
便秘対策だけに意識が向くと
食事バランスが崩れる
ことがあります。
妊娠中の基本は
- 主食
- 主菜
- 副菜
をそろえた
バランスのよい食事です。
妊娠期の栄養については
こちらの記事でも詳しく解説しています。
👉(内部リンク)
【管理栄養士が解説】妊娠初期の食事で気をつけたい栄養素とは?鉄分・葉酸を中心にやさしく解説
【管理栄養士が解説】妊娠中に避けたい食べ物一覧|理由と目安量をやさしく解説
まとめ
妊娠中の便秘は
- ホルモン
- 子宮の圧迫
- 食事量の変化
などが重なって起こります。
食事では
- 食物繊維
- 水分
- 発酵食品
をバランスよく取り入れることが大切です。
妊娠期に整えた食習慣は、
- 産後の体調
- 家族の食生活
にもつながる 大切な健康習慣になります。
無理をせず、できることから少しずつ整えていきましょう。
